Final Cut Pro X Logic Effects - Space Designer の「Pre-Dly」(プリディレイ)を操作する

background image

Space Designer の「Pre-Dly」(プリディレイ)を操作する

プリディレイは、原音信号が発生してからリバーブの初期反射音が発生するまで
の経過時間です。

どのようなサイズおよび形状の部屋についても、この設定値によって、壁、天
井、床と、その音を聞く人間との距離が決まります。Space Designer を使用すれ
ば、このパラメータをプリディレイとは別に調整し、自然なプリディレイにとど
まらずにさまざまな状態を作り出すことができます。

実際上の観点から言えば、「Pre-Dly」の設定時間を極端に短くすると、信号の位
置を特定しにくくなります。原音信号のサウンドにも影響する場合があります。
一方、「Pre-Dly」の設定時間を極端に長くすると、エコーが不自然に聞こえるこ
とがあります。原音信号と初期反射音とが離れてしまい、元の信号とリバーブ信
号の間が空いて聞こえることもあります。

さまざまなサウンドに理想的な「Pre-Dly」の設定は、原音信号の属性(より正確
に言えばエンベロープ)によって異なります。通常、パーカッシブな信号では、
弦楽器のようにアタックが徐々にフェードインする信号よりも「Pre-Dly」を短く
設定する必要があります。最も良い設定方法は、音響エコーなどの望ましくない
現象が出ない範囲で、プリディレイをできるだけ長くすることです。

131

7

Space Designer コンボリューションリバーブ

background image

以上は、さまざまな信号に適用できる、実際に存在する音響空間を作り出すため
の方法です。現実にはありえない音の広がりや自然界には存在しないリバーブや
エコーを作り出したい場合は、「Pre-Dly」パラメータにさまざまな値を設定して
みましょう。