Final Cut Pro X Logic Effects - PlatinumVerb の「Output」パラメータ

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PlatinumVerb の「Output」パラメータ

PlatinumVerb には、以下の「Output」パラメータがあります:

• 「Dry」スライダ/フィールド: 原音信号の量を設定します。

• 「Wet」スライダ/フィールド: エフェクト信号の量を設定します。

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スペースエフェクト

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Space Designer は、コンボリューション(畳み込み演算)リバーブエフェクトで
す。これを使うと、現実世界を限りなくリアルに再現した音響環境にオーディオ
信号を配置することができます。

Space Designer は、オーディオ信号をインパルスレスポンス(以下、「IR」と呼
びます)リバーブサンプルにコンボリューションする(畳み込む)方法によって
リバーブを生成します。インパルスレスポンスとは、部屋のリバーブ特性を記録
したデータのことです。より正確には、特定の部屋で発した音の最初の信号(ス
パイク)に続いて生じた反響音をすべて記録したデータです。実際の IR ファイ
ルは、標準的なオーディオファイルです。

これがどのように機能するかを理解するために、ボーカルクリップに Space
Designer を使う場合について考えてみましょう。実際のオペラハウスで録音した
IR を Space Designer に読み込みます。この IR はボーカルクリップにコンボリュー
ションされ、オペラハウスの中で歌っているときと同じ残響が生まれます。

コンボリューション方式ならば、どのような空間でもオーディオ信号をシミュ
レートできます。スピーカーキャビネットの中や、プラスチックの玩具、段ボー
ル箱の内部などの空間も、その残響を録音した IR があれば再現できます。必要
なのは、その空間で録音した IR だけです。

また、IR を読み込むだけでなく、Space Designer には IR 合成機能も組み込まれて
います。これにより、合成 IR を使って実際の空間では得られないユニークな効
果を生み出すことができます。

Space Designer では、エンベロープ、フィルタ、EQ、ステレオ/サラウンド・バ
ランス・コントロールなどの機能を利用し、残響の強弱や音色、長短を緻密に制
御することもできます。

Space Designer は、モノ、ステレオ、トゥルーステレオ(各チャンネルが個別に
処理されるステレオ)、サラウンドエフェクトのいずれの信号でも処理できま
す。

この章では以下の内容について説明します:

Space Designer インターフェイスを理解する

(ページ 112)

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